6.この先ずっと

6/10
前へ
/100ページ
次へ
* レンカは、卒業式の前日に家に戻った。 卒業式を終えたら、またここに来てくれるんだろうか…。 来てくれる事を願って、出来上がったグラスはレンカには、まだ渡してない。 レンカは戻って来たら、トンボ玉体験のチラシを作り直して、みんなに謝りたいって言っていた。 たぶん、みんなはレンカの事を、怒ってなんかいないと思う。 だから日程を変えたって、みんなは普通に来てくれるだろう。 レンカといると元気が出るのは俺だけじゃない、みんなレンカの笑顔につられて元気になる。 「テンチョーさん、レンちゃんは?」 「今日は卒業式なんだ」 「そっかぁ、じゃあ明日ならいる?」 「たぶん…いる」 「たぶんって、なにぃ?キャハハッ、ん?それ、なぁに?」 レンカに作ったグラスを入れた箱を、レンカが仲良くなった子供達が指差した。 「レンカへのプレゼント」 「えー!そのままあげるの?」 「ダメ、かな?」 「可愛くラッピングした方が喜ぶよー!お姉ちゃんの時レンちゃんラッピングしてくれたよ?」 子供達は口々に、同じような事を言ってきた。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加