21人が本棚に入れています
本棚に追加
*
レンカは、卒業式の前日に家に戻った。
卒業式を終えたら、またここに来てくれるんだろうか…。
来てくれる事を願って、出来上がったグラスはレンカには、まだ渡してない。
レンカは戻って来たら、トンボ玉体験のチラシを作り直して、みんなに謝りたいって言っていた。
たぶん、みんなはレンカの事を、怒ってなんかいないと思う。
だから日程を変えたって、みんなは普通に来てくれるだろう。
レンカといると元気が出るのは俺だけじゃない、みんなレンカの笑顔につられて元気になる。
「テンチョーさん、レンちゃんは?」
「今日は卒業式なんだ」
「そっかぁ、じゃあ明日ならいる?」
「たぶん…いる」
「たぶんって、なにぃ?キャハハッ、ん?それ、なぁに?」
レンカに作ったグラスを入れた箱を、レンカが仲良くなった子供達が指差した。
「レンカへのプレゼント」
「えー!そのままあげるの?」
「ダメ、かな?」
「可愛くラッピングした方が喜ぶよー!お姉ちゃんの時レンちゃんラッピングしてくれたよ?」
子供達は口々に、同じような事を言ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!