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レンカはキョトンとした顔をしてから、俺から受け取り。
「いいの?」
「レンカのために作ったから、返されると困る…かも」
レンカは座り込んで、綺麗にリボンと包装紙を開け、箱の中からグラスを取り出した。
「きれーっ!これって…ソウちゃんが割っちゃったグラス」
少し涙目で俺を見上げたレンカは「ごめんね」と言ってから、まだ涙を浮かべた顔を笑顔にして。
「ありがとっ!こんな素敵な物…宝物にするねっ。あーっ!天使の羽根だぁ、可愛いっ」
「レンカをイメージして作った、つもり」
「ククルン…あのねっ」
レンカが何か言おうとした時、ヤカンがけたたましく鳴り言葉を遮った。
俺のあげたグラスを胸に抱きしめながら、キッチンへ走っていくレンカを、愛おしく感じながらテーブルについた。
「これ、すごい量だね」
「だね…食べきれるかな?」
「ヤス呼ぶ?」
「今日は、2人がいいかも…ククルンだけに、お祝いして欲しいな」
俯き少し頬を赤らめながら言うレンカを、抱きしめたくなった。
自分から、こんな事を思うのは初めてかもしれない。
「じゃ、頑張って2人で食べきろうか」
「うんっ!」
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