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「ええ。1枚目は『木葉短剣』、2枚目は『石片の散弾』、3枚目は『薬草生成』、4枚目は『地母神の抱擁』、5枚目は『風の概念強化』――それぞれ使い勝手のいいもの、攻撃用、治療用、自己強化、と幅広く選定しておきました。順に難易度が上がりますが、どれも、必ず役に立つはずです」
リース様は、1枚ずつ、術式図を見ていく。
その表情はだんだんと険しくなり。
強化の術式を見た瞬間には。
「な、なんですの、これ」
段違いに異質で他と系統の違う式図に困惑のご様子だった。
まぁ、それは普通の反応だけども。
一応補足しておこう。
「――強化や弱化の魔術は、他の術式と全く違う系統なんです。属性の持つ役割や概念のような……自然物が持つ無意識を抽出して利用するモノなので。ちなみに、治療の術式も、治療を施す相手の生命力や状態データと同調する過程を挟みますから、難易度は高くなっています」
「先生……どうしてこれを?」
「あとで侍女達には通達しますが、明日にはお屋敷に戻ろうと思っているからです」
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