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……放っておいても合成しに向かってくるような魔の領域の魔素と違い、通常の魔素は魔術師の方から接触しに行かなくてはならない。その手間が、今までのリズムを狂わせてしまっているのだろう。
練習を繰り返すお嬢様に、私は言う。
「お嬢様、街の魔素は、待っていても寄ってきてはくれません、自分から、積極的に攻めて行かなくては……」
「……街の魔素はシャイなのかな?」
何の話ですかミラは、もう。
とにかく、試験までは後一週間と少しある。
まだ間に合う筈だ。
ズレた感覚。少し違う部分を、現環境に調整することが出来れば、きっと出来る。
「もうすぐお屋敷に到着します」
御者の声が聞こえる。
「帰ったら、最後の特訓です、お嬢様」
「はい! 先生!!」
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