23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「回復用の魔道具……というか飲み物です。一種は疲労を回復する『薬液』、もう一種は魔気を回復させるモノで、神霊の体液を元にしたお酒、『甘露酒』――の未完成品です。まだ酒として加工されていないモノですので効果は落ちますが、お嬢様でも服用できます。ご安心を」
「た、たいえき……!?」
お酒、という部分よりそっちが気になるのですか?
「はい、何か問題ですか?」
「問題というか、その……。神霊、って、ミラ様のような?」
歯切れの悪いリース様に、私は当然のように頷く。
「ええ。これは私の自作の物ですし、身近にいる神霊はミラだけですから、ような、というかミラのです」
「ミ、ミラ様の……?」
そんなに気になるのですか?
「気になるのでしたら『魔草酒』もありますが。――こちらは妖魔草の蜜と実から作ったモノです」
ちなみに、妖魔草というのは、魔物になりかけている魔草のことです。
「……飲まないと、いけない感じです、の……?」
少し青ざめておいでのように見えるが気のせいだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!