リースリット と 魔術基礎実習

118/137

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
 アシュリーは首を振る。 「お嬢様がお生まれになった時に……」   そうか……。  屋敷でメイドしか見ないと思っていたが。  リース様はあまり両親と一緒にいる時間が無かったのか。 「そして親戚は、王族ばかりですから、同年代の子達とも親しい間柄になる程の交流も無く……」  つまり、本当にずっと一人……? 「しかし、アシュリーさん達が居るでしょう?」  メイド達も、確かに年齢は様々だが、特にリース様の周りの者たちは若い者が選ばれている気配がある。  さすがに、リース様よりは年上かもしれないが――。  「決して仲が悪いとは言いませんが……私たちは、主従の関係です。純粋に友人としてふるまうことなどできるはずありません。そんな私達に、『リース様』などと失礼な呼び方が許されるはずないでしょう?」  ひ、ひにく……? いやみ……?  それに友人? 「私も、ただの先生ですが……?」 「アダストラ様、失礼ですが、お歳はお幾つですか?」  イキナリ年齢を問われる。  ……困る。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加