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実年齢と、見かけの年齢が違うからだ。
私は、とある霊薬を口にしたときから、自分の身体が年老いていっているのかどうかすらわからない有様になっている。
ここは適当に言うしかない。
「まぁ、見た目相応かと……」
「……私もお嬢様も、失礼かと思いアダストラ様の見た目の若さについては触れてきませんでしたが――、つまり、お嬢様とほぼ同年代。――少なくともお嬢様はそう思っていらっしゃる、ということです」
……だとしたら私はどうしたらよいのか。
というか、アシュリーは私に何を求めているのか。
「すいません、話が良く見えないのですが――」
「……もうすこし、お嬢様のお気持ちを考えて。客観的に見た振る舞いをしてほしいということです」
そう言われても、ピンとはこない。
しかしこれは、微妙に怒られている、もしくは窘められているようだ。
「気を付けます」
またアシュリーに溜息を吐かれる。
「本当に分かっておいでなのですか?」
と、言われましても。
「――アダストラ様は、お嬢様には遠く及びませんが、それなりの美貌をお持ちなのですから、そこも理解してくださいませ」
「は、はい……」
やっぱりこれは皮肉か嫌味なのではないか。
微妙……ではなく、すごく怒られている気がする。
そして困った。
この様子では、もう『秘策』は使えないかもしれない。
どうしよう。
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