23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「リース様~~!」
「リース様、どこですかー!」
私はリース様を探していた。
しかし、この屋敷は広すぎる。
家の中も外も、下手に動くと迷子になりかねない程だ。
というか1度迷子になったことを思い出す。
そして、この屋敷は、魔術的な対抗策として――。
はっ……、そうか。
私は気付いた。
むしろ今更だったかもしれない。
この屋敷は、ところどころ魔術的な対策として、魔素や現象核が集まりづらく設計されている。
そうすることで、対策されている一画に逃げ込むなどをすれば、物理的な侵攻だけでなく、魔法的な侵攻も防げるからだ。
その上、警備システムも常備しているせいで探索用の魔術も使いづらいわけで、そのせいでリース様を探すのも苦労しているわけだが。
特に裏庭はそのような作りになっていた。
そして、全体的にも普通よりも現象核がやや薄いのだ。
私は、魔術師としては、かなり広い範囲から現象核や魔素を集約できるという特性というか特技を持っているので、さほど気にはならないが――なるほど。
最初のコメントを投稿しよう!