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魔法学校の試験の合否は、とてもはやい。
『魔力子』が上手く作り出せるかどうか、それだけなので合否はその場で言い渡される。
そのため、結果が出るのも早いわけだ。
「なにはともあれ、おめでとうございます、リース様。頑張りましたね」
「やったね」
「おめでとうございます、お嬢様!」
私と、ミラと、アシュリーからの祝福の言葉が飛び交う。
「ほんとうですわ……。まさか、わたくしが入学できるなんて……。夢だったらどうしましょう――いたたた」
「違うんじゃない?」
「そのようですわね」
「……ミラ、抓らないでください」
相手は仮にも王族ですからね。
ほっぺを抓んだりしてはいけませんよ、ミラ。
打ち首になりますよ。割とマジで。
お嬢様が楽しそうに笑っているので、まだ良いのですが……。
さておき。
きっと今日は、豪華な晩餐になることだろう。
リース様は無事に合格された。
ということはつまり――。
「これで私も、お役御免というわけですね」
「……」
お嬢様は、机にうなだれたまま。
遊ばせていた脚をピタリと止めた。
だってそうでしょう。
私は、お嬢様を学園に入学させるために、先生を引き受けたのですから。
それが達成されたのなら、契約は成立し、満了のはずですから。
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