リースリット と 魔術基礎実習

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 時間が無い。  3か月で、全く魔法に携わったことが無いものが、三気合成(トリブレンド)を習得するなどとは、前代未聞。  恐らく、この屋敷の人間は、魔法というものの事を良く知らないのだろう。  どれだけの修練を積めばよいのか。  魔法を行使するための第一歩が、いかに難関なのか。  それが良く解っていないのだ。  でなければ、3か月などと無茶なことは言うまい。  ――というわけで。  当面は、座学で基本知識の勉強をと思っていたが、予定変更だ。  私とリースリット嬢は、邸宅の広い中庭に出向いていた。  無論、メイドも傍に侍している。  つまり、座学は飛ばして、実技から始めるということだ。  そのためには――。 「良いですか、リースリット嬢。今から私が、『三気合成(トリブレンド)』を実演致しますので、よく見ていてください」 「はい、先生」  相変わらず元気で興味津々の返事が聞こえる。  昔読んだ書物に書かれていた。  ――というかその書物は恐らく、教員試験の時に読んだ参考書だったと思ったが。  とにかく。  誰かにモノを教えるためには。  まずは、やって見せねばならない、と。  そう書かれていた。  だから私もそうしよう。
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