リースリット と 魔術基礎実習

18/137

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「――『現象核(オリジン)』は何でも構いませんが――」  木、火、土、金、水、日、月  風、熱、重、雷、冷、聖、邪  命、死、心、時、空、無、星 世界に散らばるあらゆる元素――現象核(オリジン) そこから、一番わかりやすいものを選定する。 合成難易度がやや難解で。 この庭園に一番豊富なモノでは無かったけれど。 今は、解りやすさとインパクト重視だ。 けれど、勿論、合成する魔力量は最小限。 遥か高空から、合成し、手の中に収束させたその魔力は――。 バチバチと、明滅し。 私の手の中に、紫電が迸る。 「急に、稲妻、雷!?」  目をつむり、眩そうにしながら。  リースリット嬢が驚きの声をあげる。 「――そうです、これが、魔法で生み出した『雷』のエネルギー。そして……」    私はさらに、その魔力を高め、収束させ、攻勢プログラム(術式)に流し込む。 「『稲光(ライトニング)』――!!」  その瞬間。  眩い閃光が迸り。  略式詠唱、すなわち術式宣言のみで発動した魔術が。   ズドォォン。  と、大きな轟音をとどろかせ。  空気を震撼させ。  発生したわずかな落雷が。  庭園の樹木一本を破壊し、焼き焦し、炎上させた。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加