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「ふぬー、ふにゅー、うぐるぶぁー!」
あれからここ一週間。
リースリット嬢は頑張っていた。
三気合成の習得のために、魔気を体外へ導きだす訓練――。
しかし、精神エネルギーという目に見えず、掴めもしない物を動かすことは容易なことではない。
何よりもまず、精神エネルギーや、自然エネルギーや魔素のような、霊的な物を感じる能力。
すなわち、第六感、あるいは霊覚を身に付けなければ、上手く掴むことは難しいだろう。
こういうものは、時間をかけて養っていくしかない。
常日頃から修練し、日々の精神性の存在を感じようとする努力があれば、いずれ花開く。
いわば、魔法の才覚とは、花のようなモノ。
種を植え、水をやり、肥料をやり。
日々の手入れと、過ぎゆく時間の中で。
芽吹き、育ち、蕾をつけ、花開く。
一朝一夕でこの過程を終わらせるのは土台無理な話だ。
それが、こと魔術において。
3か月という期間はあまりにも短い。
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