23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
こちらです。
そう言って、メイドに案内された場所は、仕度室という部屋だった。
それも、リースリット嬢の専用の部屋だという。
手前の仕度用の部屋と、奥の衣裳部屋の二部屋がセットになっていて。
衣裳部屋には、様々なドレスや衣類が所狭しと吊るされており。
靴も数えきれないほど置かれている。
無論、どれも一般人では手が出ないような豪華絢爛なものばかりだ。
もちろん、仕度室には大きな鏡も置かれている。
私はその、姿見の前に立った。
この男子禁制の一室で、なにをするつもりなのか、と。
メイドは私の一挙手一投足を胡乱な表情で監視しているし。
リースリット嬢は、興味津々な様子で待っている。
私は、目の前の鏡に向かって言う。
「ミラ。少し頼みたいことができた。ラボの留守番は中止して、こっちに来てくれない?」
最初のコメントを投稿しよう!