リースリット と 魔術基礎実習

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 ここは仕度室。  おあつらえ向けに、準備に適した部屋だ。  さすがに、フリルだのレースだのをふんだんにあしらったリースリット嬢の普段着では、森に出向くには不向きすぎる。  まぁ――。  チラリとメイドを見て。  侍女用のエプロンとシックなドレスは、ギリギリ作業着という判定でも構わないだろうけれど。  一応尋ねよう。  まだ、ミラのことを怖がっているメイドの少女に向けて。 「あなたは、その格好で行くのですか?」 「と、当然です。仕事で向かうのですから……」  なるほど。 「それでは、お出かけの準備を致しますわ。――アシュリー、着替えるのを手伝って頂ける?」  金髪ポニーテールのこのメイドの名前は、アシュリーという名らしい。   うってかわって、まるでピクニックにでも行こうという感じのリースリットに促されて。  さらに、私と、ミラは仕度室を追い出され。  外出の準備が始まった。   馬車も準備してくれるというし。   御者の出来るメイドももう一人来てくれるというし。  あとは、魔の領域の環境が、魔術の習得に一躍かってくれるかどうか。    当たるのか外れるのか。  一か八か。  この賭けに勝てるかどうか。  それだけだ。
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