リースリット と 魔術基礎実習

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 そこには、ざっくり言うと、こう書かれていた。    ◆ ◆ ◆ ◆  ――セナ・アダストラ様。  今春、晴れて教師となられたことを、お祝い申し上げます。     さっそくでございますが、我がクラスリー家からも、魔術師を輩出すべく、ニルヴァーナ王立魔法学園に、孫娘のリースリットを入学させたいと考えております。  何卒、孫娘の家庭教師として、セナ様のご教授を賜りたい。    それなりの報酬と待遇をご用意いたしてお待ちしております。    クラスリー当主 ブルックリン・マルズ・クラスリー    ◆ ◆ ◆ ◆   私は手紙から目を離す。    つまりこれは、3食付き、住み込みの仕事なわけだが。  しかしながら。  私はクラスリー家とは交流も無ければ、コネクションも無い。 いったいどこで、私が教師になったという話を聞いたのか。 「――そんなに目立ったことをした覚えは無いんですが」  心当たりがあるとすれば、教師になる前に、人間が魔神将なるものを倒すのをちょっと手伝ったくらいだけど。  とりあえず、何はともあれこの門をくぐらなければ。    目の前の大きな門は、ガッチリ閉ざされている。  高さ2メートルほどの門は、格子状で、よじ登り易そうで、乗り越えれば簡単に越えられそうに思うけれど。    実は、魔法による障壁が展開されていてそう簡単には入れない。  しかしそこは、魔法の先生の腕の見せ所というもので。  ちょちょいのちょいで、解呪(ディスペル)して――。 ジリジリジリジリジリジリジリジリジリジリ――――!!!! 「アッ!?」  警報が鳴り響き。  私はこの後、衛兵に捕まりました。
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