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「知らん!」
それを皮切りに、私はミラに続ける。
「ミラの結晶咒法で、解らないんですかね?」
「なに? 嫌味……? そっちこそ? ないの?」
「あると思う? 解りますよね? ここ一帯、『風』も『土』も『重』も――っていうか何もかも現象核が薄いんですから」
「……? 七分封界は……?」
「アレはもう使いません。もう無くても事足りるでしょう?」
「こと足りてないよ……? 今……?」
「しゃらーっぷ! ――それより、ちゃんとセンサーは避けてくださいよ? ミラが引っかかったら壊れるかもしれませんから」
「めんどう」
「めんどうでも、避けて! 私のお給金減っちゃうから!」
既に、樹木一本分の弁償金が予約されているんですから。
こんな高価な家の、防犯用魔道具なんて、壊れたら幾らの損害だか想像したくない。一つならまだしも、ミラの場合連鎖的に壊れる可能性が高いんだから。
頼むから絶対に引っかからないで欲しい。
「貯めてるでしょ……? いっぱい……?」
「さすがに、企業レベルの請求だったらもちません!」
「もし……?」
「もし?」
「あるじが踏んだら……?」
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