23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
ああ、そうなのだ。
説明されて分かったことだが。
最初に案内されて出た場所が、実は屋敷の裏手だったばかりに。
――しかし、裏庭にしては広すぎた。
屋敷の中に引き返すというリスクを避けすぎてしまったのもいけなかったかもしれない。
気が付けば夕刻になっていた。
魔の領域までは、馬車で3日ほどかかる。
その上、首都から出るだけで、数時間は必要だ。
メイドのアシュリーに厳しい顔で告げられる。
「今宵は、グランタリスの北門で宿をとって一泊し、明朝に北へ向けて改めて出発致します。構いませんね?」
その提案は、ごもっともな話で。
「ええもちろんです」
疲れ気味の私には、願ったり叶ったりでもあった。
それにしても。
よくもコかしたな、憎らしい助手め。
ミラの方を睨むと、小さく舌をぺろりと出された。
バカにしおる。
覚えてなさいよ!
最初のコメントを投稿しよう!