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「それにしても……白い騎乗竜の二頭立てだなんて……」
ガタンガタン、と音を立てて。
街道を北上する、豪奢な馬車。
私は、その御者台の上で思わずつぶやいてしまった。
だって、騎乗竜ですら超高価で希少だというのに。
白いだなんて、とんでもない。
ちなみに。
普通は、『馬』と一言で言うことが多いが。
その種類は様々で。
爬虫類や哺乳類を問わず。
用途であれば、運搬用、戦用、騎乗用など。
金銭面であれば、維持費、レンタル費用、購入費用など。
買い手乗り手に合わせて、多種多様に運用されている。
そしてその全ては、騎獣ギルドと提携している企業が作っている。
――つまり騎獣とは、人の手で育てられたモノが大多数だ。
特に。
リースリット嬢の白を基調としたハデな馬車を引く馬は、強固な鱗と、革鎧を装備され、装飾すら施された爬虫類だった。
端的に言うならば、竜種である。
勿論。とんでもない金額がかかっているはずだった。
御者台の隣で、手綱を握るメイドは。
私の感嘆と呆れの混じる言葉を聞いて、溜息を吐いた。
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