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助手が私に問いかける。
「ミラ、まほうつかい……?」
それに対して。
私は、ミラ、というよりも、リースリット嬢に聞こえるよう。
少し大きめの声で――。
「いえ! ミラは厳密には、魔法使いとは異なります」
「げんみつには?」
ミラに引き続き、リースリット嬢も顔を覗かせる。
お嬢様! 危険です!
と、落ちないようその身体をアシュリーが即座に支えつつ。
御者のメイドが馬車の速度を落とすファインプレーの中。
私は応える。
「ええ。ミラは人族ではありませんからね」
「えっ?」
「ミラは、実態を持った精霊――神霊なんです。だから、私達と魔法の作り方が少し違います」
「……三気合成を使うのではないんですの?」
素晴らしい。
その質問は満点ですお嬢様。
私は少しうれしくなりながら。
「そうです。――私達と同様に、魔気を使い、魔力子を利用するのは同じですが、魔素と現象核の代わりに、体内に備わっている固有の魔晶石が放つ神核を使う所が、大きく異なります」
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