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そんな凄惨な瞬間を目にしたならトラウマものだ。
「大丈夫ですか?」
私は心配になって、御者に声をかける。
「ええ……? 一体何がどうなっているんです……!?」
良かった。
正気なようだ。
メイドは、何も目にしていなかったらしい。
「――気にしないでください。あと、敵襲は『今』片付きました」
私は元通り。
落ち着いて御者台に腰を下ろす。
「え?」
隣のメイドのその驚きは。
何もしていないのに勝手に野党が片付いたことに対するモノだろう。
そしてその認識は正しい。
「少しヒヤリとはしましたけれどね」
私はそう言って笑った。
真っ白で高価な馬車や騎竜に血糊がついたらどうしようかと思いました。
なんとか、ピカピカのままを保てたようです。
良かった。
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