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高濃度の魔素により、強力な魔術を準備する時間やコストがかなり短縮される。それをいいことに。
『重』と『空』の現象核をかき集め。
私は紡ぐ。
「『重圧殺』……!」
「――『歪曲する空』……!」
重力の魔術で、目につく全ての魔物を圧し潰し、ペシャンコの状態にさせる。それでアンデッドは原形をとどめないくらいにはなったが。
血肉のある獣の類はまだぬるい。
そこで、超重力で動けないのをいいことに、空属性の、指定した空間ごと拉げさせ握りつぶす魔術を使って。
ぎゅっと縮小することで、お掃除する。
いくら、臓物があふれ、血が広がっても、その全てが豆粒ほどに小さくなれば、目につくことも無いだろう。
地面の土や、草や、落ち葉に紛れてしまえば、なおさらだ。
この調子で建物の内部も全て、見回り。
程なくしてお掃除が完了した。
これでよし。
綺麗になったところで。
一番奥に将軍クラスが使っていた、一番マシな建物から出ると。
ちょうど、馬車が入ってきていた。
あとは、リースリット嬢の酔いが覚めるのを待つだけだ。
――運悪く、そのまま悪化しないことを祈ろう。
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