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「気にすることはありませんよ。――さきほどアシュリー達にもご説明した通り、これは魔素による、魔力酔いというものです。あまりに高すぎる濃度のために、勝手に魔気が体外に引っ張られてしまい、精神がズレたような錯覚に陥る、そういう症状です。……お嬢様が、魔素に慣れてくれば、安定するはずです。今しばらく、我慢なさってください」
「はい、先生」
そんな私の背後の座席に座るミラが。
ほくそ笑んだような気配がして。
そんな純白の神霊様は、足をプラプラさせながら、失礼なことを言う。
「似合わない」
ムッ。
「なにがですか?」
「せんせい」
私が先生しているのが、おかしいと?
「失礼ですね。あなたは私を何だと思っているのですか」
ミラは少し考えた後。
「……悪魔……?」
「おい」
よりにもよってそんな物騒なモノと一緒にしないで欲しい。
そして、リースリット嬢が少し驚いたように言う。
「せんせい、あくまなのですか?」
「違います。……ほら、ミラ。誤解されかけているじゃないですか!」
ちゃんと軌道修正して。
「でもミラに似たようなことした」
軌道修正してー!
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