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「むかしむかし――……」
この世界には、遥かな太古より。
水素、酸素、窒素、etc……。
様々な元素が、存在していた。
そしてある時代。
そこにもう一つの元素が混じり出した。
『魔素』
その時から。
この世界には、自然元素に混じり、『魔素』と呼ばれる粒子が大気に満ちている。
その起源は、伝説として語り継がれている諸説と歴史があった。
かつては、この世界には巨大な大樹――世界樹が聳えていた。
それは物理的に存在する植物ではなく。
精神性の霊的な、いわゆる神に近しいモノだった。
しかし、大樹に内包する膨大な『エネルギー』を欲した魔神によって、ある時、大樹は滅ぼされる。
そうして、大樹がこの世から消える瞬間。
霧散した世界樹の欠片が、まるで雨のように、世界に降り注いだのだという。
その欠片は、大地に刺さり、粒子を放ち始めた。
それが、魔素であり、マナという別名を持つ魔法の源となったのだ。
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