リースリット と 魔術基礎実習

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 部屋は、当然のように広かった。  全面絨毯張りなのも当然で。  ベッドなどの寝具が無いことから、ここはリースリット嬢の自室ではなさそうだ。    一通り見渡すと。  部屋の窓ぎわにあるドレープのかかった円形のテーブル。  その椅子に座る小さな背中が見えた。  その背中は、私の気配に気づくと、振り向き。  「あ」  と、丸く小鈴のような声を上げ。  立ち上がると。  長いサラサラの黒髪(ブルネット)を揺らし。  ドレスのロングスカートを抓んで、小走りに駆け寄ってきた。  小柄な少女は、私の眼の前までやってくると。  姿勢を整え。一息深呼吸を置いて。 「こんにちは。初めまして、わたくしはリースリット・マルズ・クラスリーと申します」  丁寧な所作で、一礼と共に名前を名乗った。
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