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体調が戻り。
次の日に復帰したお嬢様は。
それから数日の間。
毎日早朝から、訓練を始めていた。
そして、魔気が引っ張られるほどの高濃度な魔素は、私が思うよりも、駆け出しの魔術師をバックアップしてくれる。
ほんの少しづつだが。
日に日に、コツがつかめてきている感じがしているのだ。
精神エネルギーなどという見えない物を。
導き出すという、至難の業だが。
弱弱しいながらもつかめる所までは来ている。
あとはそれを、外に出せるかどうか――。
そして今日も。
この時も。
リースリット嬢は、突き出した掌に意識を集中し。
半瞑想に近い状態で、自分自身と向き合っている。
「うう~!」
「そうです、ちゃんと魔気が動かせています! もう少し……! 酔われた時の感覚を思い出して。精神がズレたような感覚が来たら、少しだけ外に押すイメージで……」
そこ! もう少し! 今!
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