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言葉で。
心の中で。
応援する。
もう少し!!
あとほんの少し!!!
メイド二人は固唾を飲んで見守り
ミラは、魔物を寄せ付けないよう野営地の防衛に徹している。
お嬢様の魔気は、もう一息で外に出そうなところまで来ている。
それが私には解る。
だからもどかしく、当事者でないというのに。
私は拳を握り締め、身振り手振りで、勝手に身体が動いてしまう。
あと一押し。
そこだ。今だ。
「掴めてます。踏ん張って! そのまま押し込む感じで!」
そんな中。
ついに……!
「――来た! 来ました! 来ましたよ……!」
出た。
たった、一粒くらい。
ほんのわずかだが。
お嬢様の掌から、魔気――精神エネルギーが放出された。
やった!
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