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「え? えッ?」
僅かすぎてあまり自覚が無かったのかもしれない。
困惑するリースリット嬢。
勿論、メイド達も霊覚が無いものだから、全く状況は解らないだろう。
けど。
「おー。やった……?」
対魔物用の鏡界領域の展開を維持しながら。
ミラはそのことに気づいた。
私は、思わず。
駆け寄って。
リースリット嬢の肩を掴み。
がくがくと揺する。
「やりましたよ! お嬢様! 僅かですが、今、魔気が出せていましたよ!」
「ほ、ほんとに、ですの!?」
揺すられながら、目を丸くしながら。
まだ信じられないという反応のお嬢様だけれど。
私は大きく何度も頷く。
「ええ、本当です」
見守っていたメイド二人も、どうやら成功したらしいと踏んで。
おめでとうございます、と祝福の言葉と拍手喝采で褒めたたえる。
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