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実際、誕生日パーティーと同じくらい盛大にお祝いしても良いくらい。
本当に、これは凄いことだ。
魔術の鍛錬を始めて、三週間足らずで魔気のコントロールを身に着けるなんて。
これは、お嬢様が元々魔素を感じる才を持っていた事と。
やはりこの環境。
大きなリスクを冒してでも連れてきた甲斐はあったらしい。
魔力酔いにかかったことで、体内で魔気と魔素に対する適応反応のような事が起こったことも良い方に傾いたのだろう。
それらの刺激が、リースリット嬢の第六感を花開かせるきっかけを生んだのだ、おそらく。
しかしリースリット嬢にまだ、出来たという自覚はなさそうなので――。
「さぁ、今のうちに、続けて鍛錬をしましょう。先ほどの感覚と要領を、身体に沁み込ませるんです」
「は、はい!」
申し訳ないけれど。
このタイミング、このチャンスに。
リースリット嬢には、魔気を自覚できるようになるまで。
しいては、魔気の放出が確実にできるまで修練を重ねて頂こう。
そうすれば、次の難関に進むことができる。
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