リースリット と 魔術基礎実習

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「それなら……」   私はおじさんに案内してもらった食料品店で、たんまり食べ物を買い込み、街の井戸場で飲料水もたっぷり確保した。 それらは全部、『時』と『(くう)』の魔術で縮小し、全部、魔道具(カバン)に詰め込んだ。 これだけあれば暫くは大丈夫だろう  ◆ ◆ ◆ ◆  早朝に魔の森を出立したはずが、買い物を終えた頃には夕方になっていた。  再び戻るために街の北門へ向かう。  すると、おじさんはまだ、壊れた建物の整理をしていた。  気づいたおじさんに声をかけられる。 「なんだ、若いの、何も買えなかったのか?」 「え? いえ、私は魔術師なので、魔術で仕舞ってあるだけです。いいお店を紹介してもらって助かりました」  「ああ……、なるほどね」  おじさんは、魔術師然とした私の身なりを見て、そういえばそうか、と納得したようだ。 「それでは、急ぎますので、失礼いたします」  そう言って、私が立ち去ろうとすると。 「待ちな……」  呼び止められる。 「はい……?」
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