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「……時に」
「はい?」
「――現時点で、リースリット嬢は、魔術についてどれほどの知識と技術をお持ちでしょうか?」
「はい……?」
だんだん、はい、の返事が心もとなくなっていく。
「『三気合成』や魔法の成り立ちに関する知識。それと、自己の『魔気』をコントロールする技術などのことですが……」
「先生」
「何でしょう?」
「わたくしね」
「はい」
「魔術に関して、何一つ分かりませんわ!」
静かに丁寧に誇らしげに。
リースリット嬢はそう胸を張った。
ふむ。
そうか。
そうであるか。
「…………――――なるほど」
目標はリースリット嬢をニルヴァーナ王立魔法学園に入学させることだ。
「わかりました」
――これは、教師としての第一歩目から、ずいぶんな登山になりそうだ。
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