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「はい。魔術師たるもの、術が使えなければ何も面白くは無いでしょう?」
お嬢様は拳を握り締める。
「わたくし、頑張りますわ!」
良い気合と返事に満足していると。
ミラとメイド達が寄ってくる。
「アダストラ様、お嬢様とじゃれ合っていないで、食料の方を――」
「ああ、すいません、今お出しします」
私は、カバンから次々に縮小された食料と、水の入った樽を取り出し。
全指定解呪で元の大きさに戻す。
「おお……多い」
その様子を見ていたミラは食材の量に、メイド達は魔術の不思議さに唖然としていたが。
それもひと時の間の事で、メイド達はさっさと馬車のバッゲージスペースに運ぶ作業を開始した。さすがやり手のメイド達だ、仕事が早い。
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