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「まず、『術式』というのは、簡単に言えば“作り出した魔力に何をさせるのか”、という命令式の事です。――スペルや、コードと言い換えてもいいでしょう」
リース様の頭がパンクしそうだったので、実際に『術式』の修練を始めたのは次の日だった。
しかし技術に知識は必ず要求される。
何故なら、術式というものは無限に存在し、事細かな設定が必要だからだ。
魔法はイメージだ、という人たちがいるのも。
魔法はなんでもできる、という人たちが居るのも。
それはこの術式の構築の自由度が高すぎるから――。
可能性が無限大だということは、決まった道筋も無いのと同じ。
だから、どういう記述ならば思い描いた通りに術が働くのか。
そのための言霊や呪文をたくさん学び、その中から取捨選択をして、最適なモノで構築する。
そんな道なき道を切り開くには、様々な要素が必要なのだ。
故に。
修練の前に、少しだけ知識の勉強をしている。
場所は昨日と同じ。
地面に昨日図形や文字を書いた跡が残る場所でだ。
そこで、地面にハンカチーフを敷いて座るお嬢様に向けて、私は講義を行っているところだった。
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