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ちなみに、ミラも近くの木にもたれ掛かってこちらを観察していて、メイド達はそれぞれ雑務に追われていることだろう。
「はい、セナ先生?」
長い黒髪の美少女から質問の手が上がる。
「どうぞ、リース様」
「では、術式が無ければ何もできないということですの?」
「いいえ。術式とは、魔力に複雑な動作や効果を要求するためのものなので、ただ魔力を放出するだけとか、簡単な使い方ならば術式を介す必要はありません。――ただ、それは魔法であっても魔術ではありません」
「つまり、術式を使うから魔術?」
「そのとおりです。特に、誰でも使えるよう体系化された術式が魔術とされることが多いですね」
例えば――巷で販売されている術式専門の魔術書。
そこには最大限最適化した命令式が多数掲載されていて、それらの魔術式は誰がやっても同じように機能する。
そんな量産型の魔法が、魔術だと言えるだろう。
「そして、術式には、言霊を使う詠唱型と、文字による陣を使う法陣型があるのですが――」
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