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私は、腰にある小さなカバンを弄った。
そうしてそこから、魔術書を取り出す。
「え?」
それに、リースリット嬢は目を丸くして驚いた。
なぜなら、何も入ってい無さそうなカバンから、ハードカバーの重量級の魔術書が出てきたからだ。
そんなものが入っていたなら、カバンはその形に膨れるだろうし。
歩く時にも目立っていただろう。
さらに。
二冊目。
「え!?」
三冊目。
「えーっ!?」
私は魔術書を次々に取り出した。
「不思議ですわ、どうやって仕舞っていらしたの?」
「これは、こういう魔法具なのです」
「まほうぐ?」
「そうです。魔法の効果を固定化して、既存の道具に定着させる。そういう技術で生み出した物です。――まぁ、これは魔術というよりは錬金術、もしくは付与術に類する技術になりますが」
「す、すごいですわ。魔術ってなんでもできるのですね」
「なんでも……かどうかは分かりませんけれど。――しかし実は、そんなに驚かれるような事でもないのです」
「どういうことですの?」
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