23人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
術式を展開するためには、術式に設定された必要魔力値以上の魔力子――略して魔力子と言うことにしよう――を作り出す必要がある。
お嬢様には連続で30回……、言い換えれば30単位の魔力子を生成することを課題としていた。
そして木葉短剣には25単位以上の魔力子が必要だ。
つまり言霊さえしっかり籠めることができるなら、お嬢様は既に術式を実行するための基礎が出来ているはず。
足元の地面には、私が木の枝で描いた木葉短剣の術式図――いわゆる設計図や回路図のにあたるものが描いてある。
何処にどう、どの段階でどのように念を封じ込め、魔力子を置くのか、という手順のようなものだ。
お嬢様は、地面の図を見つつ。
へっぴり腰で突き出した掌の先に、木属性の魔力を作り出す。
しかし私には、術式宣言の前からできていないことが解ってしまい、首を横に振る。
「りーぶすえっじ………!」
「ダメです。もう一度。合成の方も疎かになっていますよ」
「うぅ」
お嬢様は既に涙目だが仕方がない。
最初のコメントを投稿しよう!