リースリット と 魔術基礎実習

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 術式を展開するためには、術式に設定された必要魔力値以上の魔力子(マギトロン)――略して魔力子(マギ)と言うことにしよう――を作り出す必要がある。  お嬢様には連続で30回……、言い換えれば30単位の魔力子(マギ)を生成することを課題としていた。  そして木葉短剣(リーヴスエッジ)には25単位以上の魔力子(マギ)が必要だ。  つまり言霊さえしっかり籠めることができるなら、お嬢様は既に術式を実行するための基礎が出来ているはず。  足元の地面には、私が木の枝で描いた木葉短剣(リーヴスエッジ)の術式図――いわゆる設計図や回路図のにあたるものが描いてある。  何処にどう、どの段階でどのように念を封じ込め、魔力子(マギ)を置くのか、という手順のようなものだ。  お嬢様は、地面の図を見つつ。  へっぴり腰で突き出した掌の先に、木属性の魔力を作り出す。    しかし私には、術式宣言の前からできていないことが解ってしまい、首を横に振る。 「りーぶすえっじ………!」 「ダメです。もう一度。合成の方も疎かになっていますよ」 「うぅ」  お嬢様は既に涙目だが仕方がない。
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