リースリット と 魔術基礎実習

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 と思ってしばらく見ていると。  厠の方向にはいかず。  お嬢様は野営地の隅の方で掌を真っ直ぐに掲げ、何かをやり始めた。 「もしかして……自主練……? こんな時間に?」  私は度々こうして、夜に作業をしていた。  その間同じ行動を見たことは無かったが。  たまたま遭遇しなかっただけで、時折夜中も修練をしていたのだろうか?  その答えは間もなく知ることになった。  なぜなら、真っ白な人影がちょっかいをかけに行ったからだ。  その声が、真夜中の静かな空気を伝って、微かに聞こえてくる。 「今日も?」  「あ、ミラ様」 「……夜だけど?」 「そうなのですが、今日は寝付けなくて」 「そう。――だから術の?」 「はい、先生に『じゅつしきず』を頂いたのですが、上手くできませんの」  あの言葉の足らないミラと普通に話が出来ている。  お嬢様もここにきて2か月を過ぎているわけだから、慣れるのは当然か。  しかし自主練とは、感心だが、よろしくはない。
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