再度逃亡を決意する

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「でも悪くない。麗楊の全ては俺の物だからね」 「僕は僕のものだよ、何言ってるんだ…」  呆れて寝台に寝転ぶ麗楊。ぐたりとする麗楊の横に婁阿も寝転んだ。 「たとえその陸とやらが麗楊の家族だったとしても、俺以外と二人きりになるのは気に入らない」 「そんな事言ったら俺何処にも行けないだろ」 「行かなくていいだろ。俺の横にいろ」 「というか、陸と二人になるなって言うなら婁阿もついてこればいい話じゃないか?」  と言えば婁阿はわざとらしく指を鳴らす。   「だが、行くなら明日にしよう。麗楊は今日は動けまい」 「ぐ…」  確かにこんな様で陸に会いに行くのは少し気まずい。何と言っても小さい時から一緒に居たのだ。身体を庇いながら会いに行くと、初夜を無事過ごしたと一目見てわかってしまうだろう。  兄同然の陸にそれで気遣われてしまうのは恥ずかしさもある。 「さ、按摩ほぐしをしてやる。うつ伏せになれ」  意外にも婁阿は真面目に労わってほぐしてくれた。麗楊は気付いたら眠りに入ってしまっていたのだった。  それに気付いた婁阿は無防備に寝顔を晒す麗楊の頬にそっと触れる。  愛しさでおかしくなりそうだ。  こうやって全て麗楊の世話をするのも、麗楊に好かれたい一心。ここまで心を動かされるのも麗楊だけ。    にしても麗楊が自分の継承権の事を気にしてると婁阿は思ってもみなかった。  誤解を生まない為に、自分が帝の地位を望んでいない事。兄との関係だの正直に話した。  麗楊の反応からして、彼も高い地位に拘りは無いようで婁阿は内心安心していたのだ。  しかしー 「…兄上には会わせないようにしないとな。あと、それ以外にも麗楊を利用しそうな輩を近付けないようにしないと」  麗楊は側に置いてあったキセルを取り出し煙を吹かす。そして眠りこけている麗楊の寝顔をじっくり堪能する事とした。  翌日、麗楊は普段通り動けるようになった。普段から身体を動かしているというのもあり、回復が早かった。その事に婁阿はつまらなそうな顔をしていた。  昨日言ってた通り麗楊は婁阿を連れて陸の元を訪れた。陸は炊事場で他の従事達と歓談していた。  その場に居た者達が麗楊と婁阿に気付くと、さっと頭を下げる。 「陸!」 「若様!お元気そうで!」  笑顔で出迎えられ、麗楊は陸の襟元を掴み引っ張った。そして小声で話す。 「元気なもんか…!いきなり軟禁状態だぞ!?」 「凄いですよねえ。それだけ愛されてるって事ですよ」 「他人事だと思ってるだろお前」 「そんなまさか。自分の主人を大事にしてくれる伴侶様を持って頂いてとても嬉しいです」 「…そんな事より、陸。どこか抜け道とか隠し通路が無いか調べてみてほしい」 「もしかして、諦めてなかったんですか…?逃亡計画」 「当たり前だろ!それか、逃げざるを得ない状況を作れないか、とか」 「ええ…無茶難題ですよ。まあ了解しました」  すると、急に麗楊の首根っこを掴まれ陸と引き離された。麗楊が視線を横に向けると、そこに不機嫌な面持ちをした婁阿が陸を睨んでいた。 「近過ぎだ」 「そんな近くなかっただろ…」 「もういいだろ。戻るぞ」 「うわっ…!おい、婁阿!」  婁阿は麗楊を肩に担ぎ颯爽と炊事場を後にした。そこに居合わせた陸、柚鈴、その他従事達は唖然とその様子を眺めていた。そして陸は、自分の主人がとんでもない人に好かれてしまったなと痛感したのであった。  婁阿の長い足が早歩きであっという間に部屋に辿り着いた。 「あんな急ぐ事無いだろ!」 「顔を近付ける必要があったか?」 「いや…ちょっと秘密の話を…」 「ふうん?」  声が低くなる。機嫌が悪くなったのを感じ取った。麗楊が距離を取ろうとした瞬間、婁阿が麗楊の手を引っ張り自分の腕の中に抱えた。   「おいっ…!」 「俺はとても嫉妬深いんだ」  麗楊の耳元で囁かれ、ぞわりと鳥肌をたてる。するりと婁阿の手が麗楊の下衣へ伸びてきてあっさり中に侵入してきた。  驚いて婁阿の手を掴み止めようとするが、麗楊の性器を揉まれたり先端を弄られその手の力も弱まってしまう。不服ながらに感じてしまってる自分に悔しさが募る。  顔を赤くして必死に耐える姿も、婁阿にとってはとても扇状的でもっと虐めてしまいたいという良くが湧いてくるのだ。 「むぅ……う…んん……」  徐々に大きくなってくる麗楊のそれに満足し、婁阿は麗楊の耳裏、耳朶、首裏、と順番に甘噛みしていくと麗楊は更に身体をびくっと跳ねさせた。 「やめ、ろ…ばか…!」 「そんな可愛く馬鹿と言われても煽るだけだぞ?麗楊」 「あっあっ…んぅ…!ん…!」 「ん?達しそうか?」  その直後口をつぐんで絶頂を迎えた麗楊は、下衣の中で婁阿の掌に欲を吐き出した。  乱れた呼吸のまま、麗楊は近くにあった丸机に両手をついて寄りかかった。  その上から婁阿が体重を乗せると、麗楊の臀部に何か硬いのが押し付けられてるのに気付く。 「まさか、ちょっと…!」 「麗楊のいやらしい顔を見たら俺も元気になってしまった」  素早く麗楊の下衣を下げると麗楊の後孔に完全に反りたった婁阿のそれを押し付けゆっくり侵入してきた。朝、軟膏を塗っておいたお陰で奥を目指すのにそう苦労はしなかった。  麗楊も1日ぶりに下腹部を埋められる感覚に身体を震わす。 「んんん……!」 「…っはあ。麗楊の中温かい…」 「耳…で、話すな…!あぅ…」 「大丈夫。初夜みたいに激しくしない」  麗楊はその翡翠の瞳に既に小さな涙を浮かべている。  婁阿は言葉通り大きく動かず、ゆっくり引いて押してをじっくり行った。  麗楊は力が入らなくなり、丸机についていた手が崩れ今度は肘がつき、今はもう頭を擦り付けるくらい丸机に身体を預けていた。  ゆっくり、それはもうゆっくり抜き差しされる事に焦らされていたが、今となってはゆるい快楽を与え続けられるばかり。  こうなってしまったらどうやっても抗えない。 「はっ…あっ……んん…!」 「また軽く達したな、麗楊。何回目だ?麗楊がこんないやらしいなんてな」 「はぁ…だれの…せいだよ……」 「勿論、俺だ」  翡翠の瞳に睨まれ、満足気に微笑む婁阿。 「俺は嫉妬深くてあまり気が長く無い。分かったか?麗楊。お前が誰かと距離近く話したり、二人でいたり、誰かに好意を持たれるだけで腹が立つ」  要は嫉妬させたらこういう仕置きが待ってるぞ、と言いたいのだろうか。  だが嫉妬される度一々このようにされては身体が幾つあっても足りない。  本当にこの男の愛は重すぎる。  その後もゆっくり攻められ、麗楊が限界の涙を流すまで続けられた。  案の定疲れて深い眠りに入った麗楊は、寝台で婁阿に抱き締められながら横になっていた。
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