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「復讐は・・・虚しいもんだ・・・」
「でも、自業自得だよ。だって奴はどす黒い銭ゲバ利権丸出しで、俺等の住処の雑木林をバッサリ伐りまくって、得体の知れない黒い板を立てまくったからね!!」
「妖術出し切って倦怠感や達成感どころか、喪失感の余り目から涙ばかり溢れてくる・・・」
眼下に一面のメガソーラーパネルが貼られた大地を、丘の上でキツネやタヌキ、そしてアナグマや野猫達が見下ろしていた。
かつて、野生鳥獣達の住処だった雑木林が悉く伐られて、この山里を遊び場にしていた森の仲間達は、もう二度と来ない素晴らしい日々を噛みしめると、うっすらと悔し涙を流した。
「何せ、あいつは俺等と帯同している住民の根強い反対運動を踏みにじって、開発内文書を、発覚すると大問題になる様などす黒い利権がバレる重要な部分の文書を黒塗りにして行政に提出したからね。
どす『黒い』利権がバレる文書を『黒塗り』にしてな。
だからこの妖術が使えるあの山里の出身者達の力を結集させて、この山里の森林伐採の実行犯を『黒い世界』に閉じ込めて二度と出られなくしてやったからな!!
この『黒い』復讐に参加した皆、ありがとね・・・
そして、お互い其々の新たな地で達者に暮らせ・・・
たまには、皆機会が遭ったらまた逢おう・・・」
この『黒い世界』復讐作戦の実行者であり、元この山里の『主』だった黒ギツネのクロコペは、1面に怪しく黒光りする夥しい数のソーラーパネルが貼られすっかり醜く変わり果てた、かつての住処への無念と仲間達との送別の涙を流した。
〜黒い世界〜
〜fin〜
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