死の森

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「それはエリオット殿下の命令っす」 「エリオットの?」 予想外の回答にイリアは戸惑った。 なぜ国外追放された自分をミレーヌが追ってきたのか……。 その答えはすぐに出た。 「はいっす! 無事にちゃんと国外まで出るところを見届けろっていう命令なんっすよ」 (なるほど! ちゃんと私が国外追放されたのか不安だったんだわ。それで国外まで出ていくのをミレーヌに見届けさせたかったのね) 確かに愛するアリシアを害した(と思われている)イリアがこの国に潜伏しているかもしれないと思ったら、気が休まらないだろう。 「うーん、信頼ないなぁ……心配しなくてもちゃんと出ていくのに」 こちらとしては死罪にならずに国外追放されただけで万々歳である。 下手にガイザール国に居たくはない。 にしても、イリアがアリシアやエリオットの仲を裂こうとしているのだと疑われるのは若干心外である。 「あれ、聖騎士だろ? 王都で襲ってきた時といい、なんで俺たちを襲ってきたんだ?」 「やっぱりあれと関連あるのかしら。でも聖騎士が襲ってきたのってあの一回だけよね。どうしてこのタイミングなのかしら?」
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