仕事内容

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な、なんですってー!?!?  私の頭の中で、今までの出来事が走馬灯のように浮かぶ。 「……魔王陛下、私は大変な失礼を——」  だって、酔っ払って眠った挙句に、宿まで運ばせたり。ガロンさん、なんて親しげに呼んだり。  冷や汗が止まらない。 「……まて」  魔王陛下は、私の手を握った。 「!?!?!!?!?」  こ、この手は何!? 私、不敬すぎて殺されちゃうのー!? 「落ち着いて、そう……、深呼吸するんだ……」  言われるがままに深呼吸をすると、少しだけ落ち着いてきた。 「魔王陛下、じゃなくて、ガロンでいい。先ほどまでの俺と、今の俺、何が違う」  そ、そうは言っても。  ガロンさんはもしかしたら偉い人なのかも、なーんて、呑気に考えていたけれど。まさか、魔国の王だったなんて。確かに目の前にいるガロンさんは、何一つ変わってないけれど……。でもそこに付随する肩書を知った後だと、緊張する。 「ですが、魔王へ——」 「ガロン」  短く遮られたのは、そう呼べってことよね!  えぇ、でも……。  躊躇う私をガロンさんは、星のような瞳で覗き込んだ。そして何も言わずに見つめてくる。  これは、呼べってことよね、間違いなく。 「ガロンさんは……」 「あぁ」  柔らかく金の瞳が細められる。その瞳に魅入られないように気をつけながら、話を続ける。 「その……地位のある方なので、私があまり馴れ馴れしくするのは……」 「ラファリア、あなただって、侯爵令嬢だろう」 「!?」  どこでそれを!?!?  私、ガロンさんに実家のこと話したかしら。 「……悪い。トドリア侯爵家の紋が見えたから」  確かに、荷物が入ったカバンにとても小さくだけれど、紋が入っている。 「いえ……」 「それに、言ったはずだ。あなたには、俺の元で働いてもらうと」    それは、確かに、言ったけれど……。 「あなたにはこの国でも、仕事のために相応の地位に就いてもらう」 「その、仕事って?」  詳しい内容はまだぜんぜん聞いていなかった。 「あぁ。あなたには、闇獣の世話係になってもらう」
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