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「ちょっと見ていってもいい?」
「うん、もちろん」
ショッピングモールで麻友ちゃんが指差した先には下着売り場があった。
「うわぁ、可愛いけど高いね」
新発売と貼り出されている花柄のブラを手に取りながら私が言うと、麻友ちゃんが値札を手に取りながら言う。
「安くなってるやつにしようかな」
裏側に置かれているワゴンを二人で覗き込む。
真っ赤なパンツを摘んで私が「これにしなよ」と言うと、麻友ちゃんは笑いながら首を横に振る。
「一生着る事ないでしょ、こんなの」
すいっと手で払われて、ふざけながら赤いパンツをワゴンに戻す。
「私だったら、これとかかなぁ」
水色の小花柄のとネイビーのボーダー柄のを掴みながら言うと、麻友ちゃんは目の前に掛かっているブラをあれこれ物色し始めた。
ふと爪がツヤツヤと光って見えることに気付く。
「……麻友ちゃん、ネイルしてるの?」
「透明なやつ付けてるよ」
「えっ、本当に?」
「ドラッグストアで買ったやつ」
ネイルしてるなんて、大人っぽいなぁ。
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