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「またねー」  宿題の進まない宿題会は、おやつに喫茶店で出しているプリンをご馳走になって解散になった。  アーケードを左右に別れて、僕らは歩く人に合わせて自転車を引いて駅方向に帰った。  涼しい所から外に出たせいか、頭がボーとした。横断歩道の白いラインが眩しくて目が痛い。渡り始めた信号機の音も少し遠く感じた。  目の前が光に包まれて、思わず立ち止まって目を閉じた。 「光矢? 光矢!」  隣を歩いていたはずの真白の声が、プールに潜った時みたいに聞こえて、そのまま体の力が抜けるのを感じると、車のクラクションが聞こえた。
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