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菜々緒様
「じゃ、ほしいモノとかは、どうしてるの?」
菜々緒様は呆れた様子でボクに訊いた。
「ああァ、そういう時はですねェ。ママから貰うお小遣いの範囲内で買っていますねェ。あとはお年玉を貯めてゲームとか買ってます」
「ぬうゥ、ゲームって、小学生か?」
「愛車のママチャリ3号もママにねだって買って貰いました。もちろん歴代のママチャリ1号も2号もママに買って貰ったんですけどねえェ」
「はァ、小学生か!」
「服やパンツもママが買ってきてくれるので間に合ってます」
「だから、小学生か!」
「なので、結婚したら毎朝、奥様から三千円貰って朝からパチンコ屋へ行って並ぶと言うのがボクの理想の夫婦の形ですね」
「今度はヒモかァ。どこが正義の味方なのよ。そんなのクズ芸人だろう!」
「いやァ、クズ芸人じゃないので。是非とも菜々緒様と結婚したら、ボクの熱くたぎった股間のX《エックス》カリバーを踏みつけてください」
ボクは両手で菜々緒様の手を握りしめた。
「キャー離して。お引きください」
こうして今日もまたボクは結婚相談所を叩き出された。
さすが恋愛マスター、菜々緒様だ。
ボクのような純情無垢な正義の味方など歯が立たない。
だがボクはいつの日にか、菜々緒様を振り向かせるだろう。
なぜならボクは絶対不屈の正義の味方、ジャスティスキッドだからだ。
つづく……のだろうか?
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