美人アドバイザー菜々緒様

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美人アドバイザー菜々緒様

「美剣アスカさん。昨日、ハッキリ言ったわよね。お引き取りくださいと」  菜々緒様は険しい表情で脚を組みかえた。 「いやいや、大丈夫です」  ボクは余裕の笑みを浮かべた。仮面をかぶっているので菜々緒様には見えないだろうが。 「あのですね。こっちが大丈夫じゃないのよ」 「倒れても倒れても、決して諦めず不死鳥のごとく甦って闘うのが正義の味方ジャスティスキッドのモットーですから」 「いえいえ、そういうタイプがこういう結婚相談所(ところ)では一番困るのよ」  菜々緒様は不満を漏らした。 「えェ、どうしてですか。たとえ何度、倒されても不屈の精神で這い上がって、最後は敵をカンプなきまでナギ倒す。それが正義の味方、ジャスティスキッドなんです!」 「いやいや、困るから、そういう粘着質的な男子って。ストーカー気質があるってことでしょ!」 「え、でも…、ボクは菜々緒様のためなら死ねますから!」 「はァ、ダメなの。ここでは一度、断れれたら諦めてください」 「いやァ、でもママが……」 「ママを出すな。バカなの。極度のマザコンは女子が一番嫌うのよ」 「いえ、ボクはマザコンじゃありませんよ。ただ単に、ママを大切にするだけで。断じてマザコンと言われる筋合いはありません!」 「ウッゼェんだよ。マザコンじゃん。一度、断れれたら諦めて。お願いだから!」 「いやいやァ、諦めたらそこでゲームセットじゃないですか!」 「はァ何をス○ムダンクの安斎先生的なことを言ってるのよ。ダメなの。そういうストーカー気質の男子って。女子は一番引くから……」  さんざんな言われようだ。 「いやいやァ、でも……」
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