8人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもさ、ここに電源入ったパソコン置いてたってことは、オフの主は最後にオンの顔を見てたってことになるよね?」
ふと、気付いたようにオフが言うと、オンも頷いた。
「確かに。そんなにキラキラのアタシを見ていたかったのかー。ちょっとでも、思い直せなかったのかな」
画面に笑顔を貼り付けたまま、オンが呟く。
「そうだね、勿体ない。でも、一番キレイな思い出を目に焼き付けたかったのかもね」
「そうよ!そうに決まってる!だってアタシ、すっごく可愛いんだから!」
「自分で言う?それ」
呆れた口調でオフが突っ込むのに対し、オンが返す。
「いーの!アタシがアタシを可愛いって言って何が悪いの?むしろアタシが一番味方でいなくちゃいけないのに」
「味方、ね…」
黒画面に映るオフの顔が、一回り影を落として更に暗くなったような気がした。
最初のコメントを投稿しよう!