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先程から、彼女のスマホが頻繁に鳴っている。電話に出ないことを、誰かが心配しているようだ。
「いずれ誰かがここに来る。私達もお別れだ。もう二度と…こうやって話すこともないだろうね」
「うん、そうだね」
「冴えない私はこれでさよならだ。せめて、キラキラ輝いている君は、彼女を知る人の思い出の中でずっと綺麗なままでいてほしい」
オフの言葉に、オンも小さな声で「うん」と返事をする。
「じゃあね。ちょっとの間だったけど話せてよかったよ」
「私もだよ」
「バイバイ、オフの君」
プツンと画面の電源が落ち、パソコンは再び黒画面に覆われた。
数時間後、辺りがざわつき始める。ようやく誰かに気付いてもらえたらしい。
よかった、今は蒸し暑い時期だから、少し遅ければオフの顔は更に悲惨なものとなっていただろう。
オンが消えた後しばらく一人で残っていた黒画面のオフも、ここでようやく画面から姿を消すことができた。
〈おわり〉
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