ファッションとしてのロックTシャツはアリか

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 実はMetallicaのJamesがファッションチェックを行っている番組を観たのだ。 「なんですか、それは?」  心愛が驚いて聞いてくる。これは番組の企画で、Metallica Tシャツを着ているセレブたちを、Jamesが片っ端から斬るというものだ。 「私はどうなるかしら?」  不安そうなフリをして風花が聞く。 「うまく着こなしてるねと言われそう」 「そうだといいな。ロゴTだけだと寂しいかなと思ってミニスカと組み合わせたりしてるから」  得意げな風花に俺は言う。 「ただ、アルバム名のチョイスで、ファンじゃないとバレると思うよ」  俺が真面目に解説すると、風花は「えーっ?」と驚き、心愛はまた「ほーっ?」と感心する。 「例えばライヴ会場でしか販売してないようなTシャツ着てたら、ファンをアピールしてるなって思う」 「誰にアピールするんですか?」  今日の心愛はやたら食いついてくる。 「仲間だよ。単にこのバンドが好きってだけでなく、メタル聴いてます的な」 「今は聴いてるよ」  釈明する風花を心愛が笑う。 「俺たちは少数派だから、仲間がいると嬉しいわけ。つい話しかけちゃったり。」  風花がついに吹く。 「それがきっかけで友達になれるかも」  確かに俺たちはそう。だがファンだと誤解されて熱く語られて困惑したなんて話はよく聞くのだ。
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