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初めての夜*
入浴は別々にしましょうと訴えて、浴室にやってきた。扉を開けた瞬間、花の匂いがふわっと香った。
「なんだろう?」
服を脱ぐ前に中を見てみると浴槽が見えた。そこには花びらが浮かべられていた。
「わぁ、きれい!」
フェリクス様にも見せてあげよう。
「フェリクス様ー! 来て下さーい」
慌ててフェリクス様がやって来た。
「どうした!?」
「見てください! 浴槽に花びらが!」
「本当だ。なんというか……」
「綺麗でしょう?」
「うん、そうだな」
「ごめんなさい、呼び出して。これを見せたくて」
「ありがとう。ゆっくり入るといい」
「はい!」
フェリクス様が出ていくのを確認してから、服を脱いで中に入った。体を洗い、湯船に足を入れた。
「気持ちいい。なんだろう? 少し滑りがあるような。薬湯かな?」
お湯を満喫して、外に出た。体を拭くと何だか肌がスベスベになった気がする。服は……あれ?服がない!?どうしよう。とりあえずこのタオルを羽織っていくしかない。
「フェリクス様……」
「どうした!?」
「服がなくて……着てきた服を着るべきだったのしょうか?」
「いや、そのままでいい。早く入ってくるから」
「分かりました」
ソファに座ってしばらくすると本当にすぐフェリクス様がやってきた。
「早いですね!?」
「行こうか」
「はい……」
手を繋いで階段を登って、先程訪れたベッドルームに足を踏み入れた。今日、フェリクス様と最後までするんだ。緊張感が高まる。
「そういえば、薬は塗ったのか?」
「まだです。塗ってくれますか?」
持っていた小瓶を差し出すと受け取ってくれた。
「先に背中から塗ろうか。寝転べる?」
「はい」
ベッドに上がってうつ伏せになった。そっとタオルを取られて、彼の手が背中に触れた。
「次は反対」
「はい」
仰向けになると彼と目があった。心臓が高鳴る。お腹を塗ってもらい、その手が胸に伸びた。
「そこは、違う……」
クリームがついた手で触られると滑りが良くて感じてしまう。
「あっ……フェリクス様」
「ルシアン」
彼が覆いかぶさり、キスをしながら愛撫を続けた。気持ちいい。これだけで達してしまいそう。
「あっあぁっ……もう……」
「イキそう?」
頷くと手をおろして僕のものを扱いてくれた。
「あっ両方……やぁっ……」
スピードが早くなってあっという間に達してしまった。その手がおしりの方に触れた。
「潤滑油なんてなくても蜜が溢れてる」
「だって……気持ちいいんだもん」
「もっと気持ちよくさせてやる」
「おかしくなっちゃいます」
「おかしくなって乱れるルシアンが見たい」
「はああっ」
指を差し入れられて、中を蹂躙するように彼の指が動き回る。
「あぁッ……あっ……あっ」
感じたことのない快感が全身を貫いて背中が仰け反った。
「そこ……ダメ……やっ……ダメぇ」
「可愛い、ルシアン」
彼の手は休むことなく刺激を続けられて、強烈な快感に襲われた。目の前がチカチカした後にガクガクと震えた。今のは何?
「中でイったか」
「中で?」
言われてみれば射精をしていない。中がずっと痙攣したみたいになっていて、ビクビクと体が震えた。
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