海へ*

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 しゃがみこんだ彼にがっちり腰を掴まれて、身動きがとれない僕のものを咥えた。 「ほんとにいいってば」  そう言ったところで離してもらえず、舐めたり吸われたりする内にゆるゆると勃ち出した。 「んぅ……」   気持ちいい。気持ちいいけど……中が疼き出す。口を離して手で扱き出した彼に「気持ちいいか?」と問いかけられて「うん」と答える。   「本当に?」 「本当だよ」 「後ろも触って欲しくなったんじゃないか?」 「それは……」 「最近中でイくことが多いだろう?」 「うん、そうだね」 「だから気になっただけだ」  自分から挿れないでと言ったのに、挿れて欲しくなるなんて。恥ずかしさよりも欲が勝ってしまって「挿れてほしい」と強請った。 「指挿れるぞ?」 「それだけじゃなくて」 「ん?」 「フェリクス様のものがほしい」 「ルシアン?」 「フェリクス様が来てくれないと気持ちよくなれない」  恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。こんなお願いをするなんて。 「大丈夫なのか?」 「だって……我慢出来ないんだもん」  立ち上がった彼が優しく抱きしめてくれた。「俺も大概だけど、ルシアンも同じだな」と笑われて、「本当だね」と言って笑った。彼の首に腕を回して、キスをしようと背伸びした。屈んでくれた彼とキスをするとたかが外れたみたいに唇を貪った。 「ベッドへ行こうか?」 「うん」  一度火がついてしまったら止めることはできず、寝室まで歩く時間すら惜しくて転移してもらい、すぐにシーツに縫い留められた。 「もう挿れてもいいよ?」 「少し解したほうが」 「大丈夫。すごく濡れてるもん」 「痛かったら言うんだぞ」 「うん。早く来て」  足を広げられてひく付く穴に彼のものが当たった。すんなりと僕の中は彼を受け入れて、ゆるく突く彼の動きに翻弄された。もう彼が入ってきてくれないとだめな体になってしまった。幾度となく体を重ねているのに、飽きることなくもっと、もっとと彼を求める。 「今日はあまり長くもたない」 「うっん……いいよ? もう十分……きもちいいから」 「本当に君は俺の欲望を掻き立てる」 「ひっ…!!ん…っ!あっ…っ!あぅっ……んぁ、あっ!!あ゛ああァっ!!! イッちゃうッ」 「俺も……」  中が温かくなった後、荒い息を吐きながら倒れ込んできた彼を抱きしめた。ズルリと僕の中から彼のものが出ていった。 「ルシアン」  横に向きを変えた彼が甘い声で僕を呼んで抱きしめてくれた。足を絡めて胸に顔を擦り付ける。すごく満たされているのを感じる。 「どこか行きたいか?」 「ううん、ここで少しのんびりしたい」 「シャワーを浴びて、何か食べるか?」 「食べる!」  ふっと笑う気配を感じて顔を上げると「何か用意させよう」と言って優しく笑った。 「はあ、旅も今日で終わりか」 「あっという間だったね」 「帰りたくない。このままずっとルシアンと過ごしていたい」 「そうできればいいけど」 「ルシアンもそう思うのか?」 「そりゃ思いますよ。ずーっと一緒にいたい」 「そうしようか」 「ダメですよ。みんなに叱られちゃう。特にエミール様と王太子様」 「はぁ……」 「こんなに長い休暇を取るのは難しいかもしれないけど、また旅行行こうね」 「うん。休みもぎ取ってやるから」 「あはは、もぎ取るって」 「ルシアンのためなら何でもする」 「ありがとうございます」  チュッと唇を合わせた後、シャワーを浴びるために起き上がった。
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