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優しくベッドに下ろされて、鼓動は高鳴っていく。服を脱がされて露わになった僕の肌に彼が吸い付いた。いくつもの赤い刻印が出来上がっていく。彼以外つけることができない印。
「あぁっ……」
乳首に吸い付いた彼が、チュパチュパと音を立てながら舌で刺激を始めた。気持ちよくて、中が疼き出す。
「あっあっ……そこばっかり……やだぁ」
「じゃあ、どこがいい?」
「下……」
「どこがいいか、見せてくれないか?」
寝転んで足を広げ「ここ」とお尻の穴を指した。「いいよ」と言って顔を埋めた彼がその穴を舐めはじめた。
「ひぁっ……舐め!?」
感じたことのない舌の感触が気持ちよくて、頭の中が真っ白になった。
「あっあぁっ、だめぇ」
舌を離した彼がすかさず指を差し入れた。それだけの刺激で快感が駆け抜けて、体を上下に跳ねさせながらイッてしまった。中を執拗に刺激されながら、ペニスを扱かれ、ヤダヤダと喚きながらイかされ続けた。
「ルシアンの中、オイルがいらないくらいグショグショになってる」
「だってぇ……フェリクスさまが……」
涙目でそう訴えると「これからだぞ? ルシアン」と言って不敵な笑みを浮かべた。あぁ、ゾクゾクする。腰を持ち上げた、彼が一気に入ってきた。
「あああっ……!!」
「すんなりと俺のものを咥えこんで、本当にルシアンは可愛いな」
パンパンと激しく腰を打ち付けられて喘ぐことしかできない。
「ルシアン……愛してる。俺のルシアン」
紡がれる愛の言葉に脳が蕩けそうになる。もっと言って、もっと愛して。もっともっと……。
「フェ……フェリクス……さまぁ」
縋るように手を伸ばすと、そっとその手に口づけをした後指を絡ませた。
「あっん……もう……だめ」
手を繋ぎながらさらに動きが加速した。僕が精液を迸らせたあと、彼が僕の最奥で果てた。
「キス……」
荒い息を吐きなからキスをせがむ。酸欠になりそうなのに熱いキスを交わして、頭がクラクラとした。
「ルシアン」
「んっ……んぅ……」
ようやく唇を離して見つめ合ったあと、倒れ込む彼を受け止めた。彼の鼓動も僕と同じくらい速い。それが何だか嬉しく感じる。横にゴロンと転がった彼につられて、僕も横を向いた。
「ルシアン」
「ん?」
「愛してる」
「僕も愛してるよ」
彼の手が背中を這ってお尻に到達しもみ始めた。片手で僕の髪を弄る。それがとても気持ちいい。うっとりと目を閉じてその感触を楽しんでいると、繋がったままの彼のものは徐々に硬さを増していく。抱きしめられたまま彼が上を向き、僕は彼の上に乗せられた。
「もう硬い」
上体を起こして彼の腹筋に指を這わせ、ゆっくりと腰を動かす。彼は僕のお尻を持ったまま嬉しそうにそれを眺めている。自分なりに頑張って腰を動かしながら「気持ちいい?」と問うと「最高に気持ちいいよ」と返してくれる。いつも答えは同じ。でもいつも問いかけてしまう。
「あっあっん」
自分で腰を振るとどうしても気持ちいい場所に当てたくなって、自分勝手だと思いながらもやめられなくなる。
「気持ちいいか?」
「う……んっ、きもちぃ」
また質量を増した彼のものを擦り付けるとぐんっと下から突き上げられた。
「ああっん」
背中をのけぞらせるとガンガン突き上げられて頭の中が真っ白になった。
「ダメ……やっあっ……あっあっあぁっ――」
力が入らなくて倒れそうになる僕を彼が起き上がって受け止めてくれた。彼にしがみついて震えているとゆっくりと彼が動いた。それがまた僕の中を刺激してイくのを止められなくする。
「やだ……もう……おかしぐなっちゃう……」
そう言ってるのにずっと揺さぶられ続けてどんどん思考が溶けていく。
「ルシアン?」
「はぁはあっあっ……フェリクス……さまぁ」
「ずっとイッてる」
「う……んっ……イってるの……。止まらないの……」
「あぁ、この状態のルシアンは堪らなく可愛い」
「あっ!? やぁ……また……おっきくなったぁ」
「可愛いルシアンのせいだよ」
「あんッ……あっあっ……やめ……」
僕を押し倒し、足を折り曲げて深く入ってきた彼がまた僕を激しく突き動かす。
「あっあっ……まっ……も……むりぃ」
「はぁっ……イクっ……」
中に温かいものが広がって彼の動きが緩やかになった。
「少し休憩しようか」
「うん……」
少し休憩ということはこの後にもまだまだ続くという事で、案の定抱き潰された。
頭を撫でられるような感覚がして目を開いた。彼の腕の中で僕は眠っていたようだ。
「寝てた……?」
顔を上げると優しい顔をしたフェリクス様と目があった。
「すまない、また歯止めがきかなくなった」
「いつものことでしょ? はぁ、今日もすごかった」
そう言うと「本当にすまない」と申し訳なさそうに呟いた。
「お腹空いたね」
「そうだな」
「いま、何時だろう?」
「もう日付が変わっている」
「え!? そんなに眠っていた?」
「いや、寝てた時間は長くないが……」
「やってた時間が長かったんだね」
「まぁ……そうだ」
行為の最中は時間の感覚が全くなくなってしまうから、そんなにも長い間していたなんて思いもしなかった。ご飯も食べずによく頑張ったものだ。
「もうみんな寝てるか……何かあるか漁りに行こうかな」
「立てるか?」
「……無理かもしれない」
力が入らない。鍛えたらこんな事はなくなるんだろうか。
「俺が取ってくる」
「ごめんね」
額にそっと口付けを落とした彼が起き上がってベッドから出ていった。脱力しながらまだ残っている彼の温もりを求めてシーツに顔を埋めた。
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